フルムが10馬身差で圧勝!
皆様、こんにちは。京都サラブレッドクラブです。
10月31日阪神2Rにて、フルムが2019年産馬の世代初勝利を収めました!
課題としていた行き足もついて、道中は折り合いながら2番手で逃げ馬をぴったりとマークしながら運ぶことができ、直線で逃げ馬に並びかけると鞍上のゴーサインに鋭く反応し、一気に置き去りにしました。2着馬との着差はなんと10馬身!
派手な勝ち方で初勝利を飾ってくれたことは本当にうれしい限りです。
「連闘」という攻めの一手に出ることを考えてくださった浜田調教師、上手くエスコートしてくださった吉田隼人騎手、すべての関係者、それに応えてくれたフルム、本馬に関わる全部が上手く噛み合っての勝利だったと感じております。
会員の皆様、おめでとうございます。
今回はフルムの育成を担当していただきましたグランデファーム代表の衣斐さんにお話を伺うことができましたのでご覧ください。
―この度は育成馬のフルム号初勝利おめでとうございます。衣斐さんはフルムを育成時代から高く評価しておられましたが、どういったところを評価していただいていたのか改めて教えてください。
衣斐さん「ありがとうございます。会員の皆さんもおめでとうございます。印象的だったのは、まず顔ですよね。顔がすごく良かったです。牧場に到着した際に初めて見たときに何よりもまず『良い顔をした馬だな』と感じたことを覚えています。ディープインパクトのように小さくてキリッと顔をしていましたのですごく印象に残っています。それと皮膚が非常に薄かったんですよね。一晩寝て、翌朝起きたら皮膚に寝藁の跡がついていたんです。寝藁というのはそんなに硬いものではないので、普通の馬であれば皮膚に跡がつくことはないんですが、皮膚が薄いと凹みやすいので跡がつきます。過去にウチにいたディープスカイやローレルゲレイロ、ヒルノダムールも朝起きたらよく跡がついていましたね。顔の良さや薄い皮膚というのは走る馬に共通する特徴ですから、それらを持ち合わせていたフルムは間違いなく走るだろうなと思っていました。」
↑レース後の表情。端正な顔立ちをしています。
―名馬と呼ばれる馬と同じ身体的特徴を持っていたんですね。精神面はどうでしたか。
衣斐さん「精神面でいうと最初は少し怖がりなところが見られました。しかし、その点はすぐに解消されて落ち着いて真面目に調教をこなしていましたよ。レースでも毎回根性を見せていますよね。おそらく生産牧場にいた頃は、どちらかというと他の馬に攻撃されてしまうタイプだったのではないでしょうか。私の経験上、そういったタイプの方が精神的にタフで、レースでも勝負根性を発揮して出世し、逆に幼少期に放牧地で威張り散らかしていたようなタイプは案外脆いという傾向があります。また、精神面の強さは高橋ファームさんで厳しく育てられたことも大きいと思いますよ。幼少期から厳しいことを色々経験してきたんだろうなと感じましたね。」
―衣斐さんから見て、フルムの今後はどうでしょうか。
衣斐さん「もっと上のクラスでも十分やれると思いますよ。その根拠は血統とレースでのパフォーマンスです。血統に関しては相当作り込まれた配合をしています。シニスターミニスター産駒はハイアベレージではあるものの上のクラスでは頭打ちになってしまう馬も多いのですが、この馬は他のシニスターミニスター産駒と少しテイストが違っています。というのも、シニスターミニスター産駒は母もダート血統の馬が多い中、この馬は父と母とでお互いにない要素を補い合った配合になっています。簡単にいうと、シニスターミニスターはアメリカ血統なのでパワーやスピードには長けていますが、ヨーロッパの血統に多く見られるスタミナや底力といった要素は薄いので、それを母のサンタテレサが補っているということです。底力があって成長力も持ち合わせた血統ですから、この先の成長も楽しみにしています。今回は相手に恵まれたという見方もあるでしょうが、ここで頭打ちになるような馬は10馬身も千切れませんよ。本当に良い馬を預けていただいたことに感謝しております。会員の皆さんにも貢献することができて嬉しく思います。」
ーありがとうございました。グランデファームさんで育成していただいたルナリュミエール、ラートリー、ノーブルオーキッドらが続いてくれることを期待しています。
衣斐さんのお話にもありました通り、まだ成長の余地を残しているように感じられますので、3歳、4歳…と齢を重ねて本格化した時の走りが今から楽しみでなりません。
今後ともクラブの所属馬に温かい声援をお願いいたします。
↓グランデファーム育成馬はこちら!ともにフルムと同じシニスターミニスター産駒です。