クラブ初のオープン馬誕生!~フルムの故郷、高橋ファーム~

2022/02/04

 

皆様、こんにちは。京都サラブレッドクラブです。

 

フルムが1月30日中京4R 3歳1勝クラスに勝利し、京都サラブレッドクラブ初のオープン馬が誕生しました!関係者の皆様、そして本馬に声援を送ってくださった方々、誠にありがとうございました。

 

また、デビュー前からフルムの調教に跨ってくださっていた水口騎手&フルムのコンビで勝利を挙げられたことについても非常に嬉しく思っております。

 

 

 

そして会員の皆様、おめでとうございます!

レース後の検量室前にて

 

 

さて、今回はそのフルムの生産者である高橋ファームさんにインタビューをすることができましたので、そちらの内容をお届けいたします。

 

―この度は生産馬フルム号の2勝目おめでとうございます。たくさんお話を聞いていきたいところですが、まずは高橋ファームについてお聞かせいただけますでしょうか。

 

高橋さん「ありがとうございます。我々の牧場は北海道の新ひだか町静内というところにあります。前谷牧場(前谷武志)さんが道路を挟んだ向かいにありますので、日々切磋琢磨しながら馬づくりに励んでいます。代表的な生産馬は、2012年菊花賞3着のユウキソルジャー、現役馬ですとリリーミニスターなどです。」

フルムの生まれ故郷高橋ファームです。

 

 

 

 

―フルムの幼少期のエピソードなどはありますでしょうか。

 

高橋さん「フルムはサンタテレサの初仔ということで、サンタテレサが上手く子育てをすることができず、生まれてから1週間ぐらいは人間が付き添って世話をし、その後は乳母に育ててもらいました。フルムがサンタテレサのことを怖がっていて、自分だけでは乳を飲むこともできない状態だったので、牧場の人間が2時間置きに様子を確認しに行き、サンタテレサを押さえて乳を飲ませることで対応していました。乳母を宛てがってからは問題なく元気にしていましたが、大人しいタイプだったので、ヤンチャなタイプのネオザスティングの子(プライムアクター)には放牧地でよくいじめられていましたね。」

―馬体の印象などはいかがでしたか。

 

高橋さん「1歳の春頃には見栄えのする馬体になっていて『この馬はきっと走る!』と自信を持ってクラブに送り出しましたが、生まれてすぐは少し華奢で、トモにはボリュームがあるかなというぐらいの印象でした。母もトモが発達している馬でしたので、母似の良い馬だなとは思っていましたが生まれてすぐはその程度で、生まれた時からずば抜けて良かったというわけではありません。日が経つにつれて幅も出てきて、どんどん馬体が充実していったという感じです。また、シニスターミニスター産駒はリリーミニスターをはじめ煩い馬が多いのですが、フルムはかなり大人しくて、人間に対しても友好的な扱いやすい馬でした。馴致もやりやすかったですね。むしろ、大人しすぎて『競走能力は高そうだけど、闘争心はもしかすると欠けているかも』と心配していたぐらいでした。なので、レースであのような闘志全開で走る姿は全く想像できませんでしたね。」

 

―たしかにレース前のパドックをのんびり周回している時のフルムと、ゴール前でライバルたちと競り合っている時のフルムは別馬のようですよね。2勝目を挙げた時のお気持ちはいかがでしたか。

 

高橋さん「直線に入って追い出してから、もの凄い勢いで伸びてきていたので、これは届くだろうと思って見ていましたが、それでもラスト200mぐらいからは思わず声を出して応援してしまいましたね!2着馬を交わして先頭でゴールした瞬間はすごく嬉しかったです。水口騎手の気迫も伝わってきましたし、この馬に関わる全ての人で掴んだ2勝目だと思います。応援してくださった皆さんにも大変感謝しています。」

持ち前の強烈な末脚で2勝目を勝ち取ったフルム。これからの活躍も楽しみです。

 

―これからも楽しみですね。現在京都サラブレッドクラブで募集中の2020年産馬の中には、高橋ファームさんの生産馬が3頭います。この3頭についての印象をお聞かせいただけますか。

 

高橋さん「ビーウィッチド20については、この兄弟は小さく生まれるのですが、成長力があってどんどん大きくなるという特徴があります。この馬もフルムのように大人しくて扱いやすい馬です。最近、育成の加藤ステーブルさんへ行く機会があったのですが、乗り味が良くて大物感があると聞きました。フルムに続くような活躍をして、ゆくゆくは短距離ダートの大物になってほしいですね。シーヴァージア20はリリーミニスターの下ですが、タイプは違います。胴が詰まった”これぞスプリンター”という馬体をしています。早い時期から走れそうですが、トモがパンとしてきて本当の意味で良くなってくるのは古馬になってからだと思いますし、長く楽しめるタイプでしょう。コテキタイ20は、コテキタイが高橋ファームに移動してきてから最初の子なので上の兄弟との比較はできませんが、堅実に走ってくれそうなタイプですね。少し変わった性格をしていて、普段は人懐っこいのに、何か気に障ることがあると、拗ねて突然触らせてくれなくなることがありました。そうなると、放牧に連れて行こうとしても無口をつけさせてくれなかったりして大変でしたね。また、多くの馬の場合、他の馬がみんな放牧に行くと、次第に寂しくなってみんなのいる放牧地へ行く気になってくれるのですが、彼女の場合はそういったこともありませんでした。放牧地でも1頭だけでいる姿を見ましたし、孤独を感じないタイプでもあるようですね。気分屋さんでしたが、それも含めて可愛い感じの馬でした。」

 

―この中からフルムに続く活躍馬が出てくることを楽しみにしています。最後に今後の生産馬への期待などをお聞かせください。

 

高橋さん「我々は”丈夫で長く走れる馬づくり”を牧場の方針として掲げており、数年前から馬づくりに関する様々な改革に着手し始めて、現在は徐々にその成果が出てきている状況です。リリーミニスターは現時点での代表的な存在で、2021年の1年間だけで11走しています。フルムについてもまだ3歳ですが、すでに7走していますし、今後我々の丈夫な馬づくりを象徴するような存在になってくれることを期待しています。今後も馬を丈夫に育てるための様々な取り組みを進めていき、多くの方に”高橋ファーム=丈夫な馬”というイメージを持っていただけるように精進していきます。」

 

―ありがとうございました。今後も高橋ファーム生産馬の活躍を楽しみにしています。

 

 

↓現在募集中の高橋ファーム生産馬はこちら!

ビーウィッチドの2020

シーヴァージアの2020

コテキタイの2020