充実の癒し空間~小松トレーニングセンター~

2021/04/21

 

皆さま、こんにちは。京都サラブレッドクラブです。

今回は、「小松トレーニングセンター」様をご紹介させていただきたいと思います。

 

・小松トレーニングセンター全景。トラックコースの一部から坂路コースが伸びている形態。全て屋根付き。

 

近くには日本有数の温泉郷

小松トレーニングセンター(以下、小松トレセン)があるのは石川県小松市。人気の温泉地である加賀市の隣に位置する場所です。従って、栗東近辺の外厩先が点在する信楽や名張、宇治などに比べるとやや遠方に。栗東からの移動の所要時間(2時間少し)を考慮すれば、小松トレセンの位置付けは、おそらく「休養」「回復」という言葉に集約されるのではないかと考えられます。

 

「栗東トレセンから来た馬は、少なくとも1ヵ月以上こちらで預かるケースがほとんど。数週間の短期というのはあまりないですね」と関係者。

 

具体的には、長期リフレッシュの他、屈腱炎等の療養目的など脚元に不安のあるタイプの休養先として指名を受けることが多いようです。その理由は、やはり場所が「加賀」の近くであること―。

 

・周回約40mのプール

 

脚部負担軽減と心肺機能強化を両立

小松トレセンと言えば、キーワードになるのが「温泉」。

 

脚部への負担を軽減しながら心肺機能強化が図れる、周回約40mのプールは温泉水(約37℃)で満たされているため、冬場でも使用可能です。

 

合わせて温浴場も設置されており、膝まで浸かる深さの窪みには約40℃の温泉。上部のシャワーから出てくるのも温泉水。故障馬のリハビリに大変有効であり、またトレーニングの疲れを癒せるだけでなく、怪我防止にも効果が。

 

その他、湯冷め防止を目的とした馬体乾燥室も併設されるなど、充実の設備が行き渡っており、この土地の強みがフルに活かされている仕様だと言えます。

 

また、月に1回は獣医の定期診断を実施。主に治療、療養中の各馬を診察し、今後どのように調整を進めていくか、その方向性がしっかりと定められています。

 

・温浴場。脚元も上部シャワーから出るのも約40℃の温泉水。

 

精神面にも配慮された環境

現在の馬房数は75。平均して50~60頭が入厩している状況です。調教コースにはトラックコースと坂路があり、共に屋根付きでウッドチップ。距離もそれぞれ600mとなっています。「追い切りは基本的に坂路で。2F~3Fはしっかり追えるコース形態です」と関係者。1週間のうち、火曜日と土曜日が追い日になっています。

 

また馬房の後ろには個別サンシャインパドックがあり、馬が新鮮な外気を満喫しながら羽を伸ばせる環境に。身体の健康面だけでなく、精神面においても十分な配慮がなされている造りです。

 

・トラックコース(上)と坂路コース(下)。共にウッドチップ。

 

温泉治癒はあの名馬たちも・・・

関係者に“こちらで休養・療養していた有名な馬は?”とお聞きすると「ヒシアケボノやマヤノトップガン、スイープトウショウなどになりますかね」と、過去の名馬の名前をズラリ。当クラブ所属馬も、脚元の関係でなかなか強い調教ができない時、プール調教が可能で、かつ疲労回復や怪我の回復促進など、温泉治癒の期待も持てる小松トレセンに預託させていただくケースが、これまで幾例かありました。

 

3月末にこちらへ移動してきたルナリュミエール号は、もちろん健康そのものですが、豊かな自然と癒しの空間・設備の中で、元気いっぱいにトレーニング中。馬体の成長を促していきたい同馬にとって、小松トレセンの心身共にリラックスできる環境はピッタリだと言えます。小松トレセンのスタッフの皆様、引き続きよろしくお願いいたします。

 

・小松トレーニングセンターで育成中のルナリュミエール

 

※施設の写真につきましては、小松トレーニングセンター様発行の案内パンフレットから、当ブログに転用・掲載させていただいております。