~ドゥーラに続け!~グランデファーム提供馬

2022/09/29

 

皆様、こんにちは。京都サラブレッドクラブです。

 

2021年産馬の募集が近づいてまいりました。今回の募集馬は、例年に比べてバラエティーに富んだラインナップとなっております。ぜひホームページやカタログをご覧いただき、ご検討ください。

 

さて、今年の札幌2歳S覇者ドゥーラを生産・育成されましたグランデファームより、2頭ご提供いただきましたので、今回はご提供いただいた経緯やグランデファームの配合の方針などをご紹介させていただきます。

 

―まずはドゥーラの札幌2歳S制覇おめでとうございます。

 

衣斐代表「ありがとうございます。ドゥーラはグランデファームの分場が完成し、本格的に生産を始めた2年目の馬です。1年目の馬は10頭生産し、3頭がJRAで勝ち上がり、残念ながら怪我で引退となってしまったデュアルパーパスも惜しい2着まで来ていました。開業してから長年、育成牧場としてG1馬、重賞勝ち馬を手掛けて参りましたが、配合→生産→中期育成→育成→そしてレースと一貫して携わった馬としてはドゥーラが初めての重賞制覇となります。イシス(ドゥーラの母)もこれからどんどん活躍馬を出してくれると思いますし、楽しみです。」

 

 

―グランデファームさんは生産馬を様々なところで販売しておられますが、今回2頭を提供していただくにあたり、どういった思いがおありだったのでしょうか。

 

衣斐代表「これまで京都サラブレッドクラブさんとは、フルムやラートリーらの育成を通じてお付き合いさせていただいておりましたが、生産馬の提供は今回が初めてです。今回提供させていただいた2頭は、血統も馬体も動きも満足できる素晴らしい牝馬なので、牧場に繁殖として残したいと考えており、当初は自分で走らせるつもりでいました。しかし、京都サラブレッドクラブさんがこの2頭を含めて21年産馬を早い時期から見に来られていたということや、設立して間もないにも関わらず熱心な会員さんが多くいらっしゃるということをお聞きし、”牧場として力になりたい”、”より多くの方に喜んでもらいたい”という思いで提供させていただきました。自分の勝負服で走らせることにはこだわっていませんし、せっかくの良い馬なので、多くの方と一緒に楽しんで喜びを分かち合いたいです。」

 

 

ー自慢の牝馬をご提供いただき本当に感謝しております。衣斐さんはかつてウオッカの母タニノシスターや、マチカネフクキタル、最近だと桜花賞馬レーヌミノルなどの配合を手掛けられたそうですが、配合の方針や、配合を決める上で意識されていることを教えていただけますか。

 

衣斐代表「ざっくりした説明になりますが、私は基本的にホームラン狙いの配合しかしません。ホームランというのは狙わないと打てないものだと考えており、ホームランの打ち損じでシングルヒットが出ればいいというスタンスで、どの繁殖牝馬にどの種牡馬をつけたら大物が出るかを日々研究しています。大物狙いの配合も、コツコツ稼ぐタイプを狙った配合も、外れるときは外れるので、それだったら当たった時の威力に期待したほうがおもしろいのでね。グランデファームのホームページにて、これまで配合を手掛けてきた馬をその理論とともに紹介していますので、血統・配合に興味のある方はぜひご覧ください。

野球で、ホームランを打った時と同じスイングをしても、毎回ホームランが打てるわけではないですよね。それと同じで、毎回配合のイメージ通りに生まれるわけではありませんが、配合はいわば競走馬の”設計図”ですから、大物が出る設計図にしておかないと大物は出ません。G1ウィナーの母にG1ウィナーの種牡馬をつけても、配合が理にかなっていないと走らないんです。海外のセリを見ていても、”両親ともにG1馬”というだけで配合がしっかりしていない馬は高いだけで走っていません。逆にブラックタイプが見栄えしなくても、配合が良ければ走る馬が出る確率はグッと高まります。その確率を上げるために、日々研究を重ね、より良い設計図とは何かを常に考えています。」

 

 

―今回ご提供いただいた2頭も、大物狙いの配合で誕生したんですね。設立してから歴が浅いということもありますが、まだ弊社には重賞を勝つ大物と呼べる馬は出てきていませんので、募集馬の中から重賞で大物食いをする馬が出てくることを楽しみにしています。

大物食いというと、2頭の父シュヴァルグラン、サトノクラウンはともにその年の年度代表馬キタサンブラックを破ってG1を獲っていますよね。

 

 

衣斐代表「シュヴァルグランもサトノクラウンも大変優秀な種牡馬だと確信していますので、2頭とも大手さんの高額馬をなぎ倒しても全く驚きません。私自身も、ドゥーラに続いて生産・育成馬が大きなタイトルを獲るところを見たいです。まずは牝馬クラシックを目指したいですね。」

 

 

―ありがとうございました。21年産の世代からもドゥーラに続く活躍馬が出ることを期待しています。


スラスラスイスイ21。父シュヴァルグランはBallade一族の出身。同じ一族のダノンバラードは種牡馬として大ブレイクを果たしています。また、シュヴァルグランと同じく母の父にMachiavellianを持つヴィクトワールピサは、桜花賞馬ジュエラーをはじめ比較的牝馬に活躍馬が多いです。

 

ウィアーワン21。父サトノクラウンは、現役時代芝の中距離で活躍しましたが、産駒はマイル以下の距離でも活躍しています。全姉に英国スプリントG1馬ライトニングパールがいるように、スピードも秘めた種牡馬です。