アイドルホース・スノードラゴンの故郷~イワミ牧場~

2021/04/08

 

皆さま、こんにちは。京都サラブレッドクラブです。

 

さて、今回は北海道新冠にあるイワミ牧場さんを紹介させていただきます。

イワミ牧場さんといえば、2014年のスプリンターズS(G1)覇者スノードラゴンなどの生まれ故郷ということでご存じの方も多いと思います。

 

今回はイワミ牧場代表の岩見昌弘さんに、生産馬それぞれの印象やエピソードなどをお話しいただきました。

 

 

オリエンタルキング(アーベントロート19)

昌弘さん「本馬は小さいころからとても丈夫で、病気にかかることもありませんでした。頭も良くて、闘争心を持っているけれど人間に対しては全く悪さをしないという優等生タイプでしたね。本馬の上2頭は小さいのですが、1つ上のセブンシャインを生んだ頃から母の体調が良くなり、産駒も馬格に恵まれるようになってきました。今牧場にいる1歳や当歳も大きいですよ。大きいといっても動きに緩慢さがありませんでしたし、バランスも良かったです。」

 

 

ルナリュミエール(スピリットディティ19)

昌弘さん「集団で放牧地を走っていた時、この馬だけスピードが段違いでした。他の馬たちが力一杯走っているのを横目に、彼女は悠々と追い抜いて遠くの方まで行ってしまうんです。引き運動の時も歩くのが速かったので、それだけ運動能力が高いということでしょう。アドマイヤムーン産駒らしく、これぞスプリンターというタイプですよ。母父がSadler’s Wells系で2代母の父がStorm Bird系のアドマイヤムーン産駒というと、快速馬レオアクティブと同じ。すでに本州へ移動したと聞いていますし、順調そうで楽しみですね。」

 

ノーブルオーキッド(ノーブルクラウン19)

昌弘さん「お母さんはシルクホースクラブで募集されていた馬です。随所にお母さんと似ているなと感じられる部分があって、お母さんの現役時代を知っている方が本馬を見ると驚かれるのではないでしょうか。それぐらいそっくりでしたね。気が強いタイプですので、おそらくスピードを活かした競馬をするようになるのかなと想像しています。」

 

オースピシャス(クラリティエス19)

昌弘さん「お母さんがとてもマイペースな性格で、放牧地に人間が来ていることに気づいても寄ってこないタイプの馬なのですが、本馬もそういったところがありましたね。この馬もシニスターミニスター牝馬らしく気の強いところがありました。こちらもすでに本州へ移動しているようですし、今からデビューを楽しみにしています。」

 

 

 

イワミ牧場さんの放牧地はいくつかの区画に分かれており、最も広いエリアには写真のような斜面があります。

 

 

 

放牧地へ入らせていただくと、遠くの方にいた繁殖牝馬たちがこちらに気づいて駆け寄ってきてくれました。

集牧と間違えて帰ってきてしまったのかもしれないとのことで「???」といった表情でこちらを見ていました。

 

 

ルナリュミエールの母スピリットディティがこちらに寄ってきてくれました。父は大種牡馬Singspiel、母はコロネーションS(G1)勝ち馬のMaids Causeway。両親ともにG1馬です。「なかなか発情が来なかったり、種付けできたとしても受胎しなかったりと、難しい面があるということで繁殖牝馬セールに出されていましたが、種付けの履歴から前にいた牧場でもエース級の馬だったことが伺えますし、血統面からも繁殖牝馬としてのポテンシャルは相当高いと思います。今年もチャンスが来たら超ピンの種牡馬をつけにいく予定です。それにしても、これまでに残した2頭の産駒が両方ともアドマイヤムーン産駒というのは不思議ですよね。」

 

確かに競馬を見ていると不思議な力、運命的なものを感じることがよくあります。これも、そのひとつなのでしょう。

 

昌弘さん「馬が活躍するには、馬に競走能力があることが絶対条件ですが、競走能力があるからといって、必ずレースで活躍できるわけではありません。“人との巡り合わせ”や“言葉では説明できない不思議な力”というのも非常に重要だと考えています。スノードラゴンはそういったことが上手く噛み合った例のひとつで、彼自身の能力に、調教師や騎手を含め関係者全員が彼のために尽くしてくれたことと、不思議な力や巡り合わせが重なりG1制覇へと繋がったと考えています。生産馬は私たちにとって子供のような存在で、仔馬時代は希望しかありません。よく、関係者の方が牧場に来られた際に『今年はどの馬が良いと思う?』といった質問をされるのですが、正直『全部良い馬です』と答えたいんです(笑)。生産者はみんなそうだと思いますけど、それぐらい生産馬はみんなかわいいんですよね。もちろん、牧場にいる間にその馬の能力の片鱗を垣間見ることはあります。ただし、様々な要因で活躍できないこともありますし、こればかりは本当に難しいです。最後になりましたが、牧場見学ツアーが実施されるようになりましたら、ぜひとも会員の皆様に牧場へ足を運んでいただきたいと考えております。そして、生産馬が活躍して会員の皆様と感動を分かち合える瞬間を心待ちにしています。」

 

今後もイワミ牧場さんの活躍を楽しみにしております!