ロックオンエイムの足跡を辿って、サンタテレサ19がTomorrow Farmへ

2021/03/02

 

3月2日(火)の午前7時すぎ、2019年産の募集馬・サンタテレサ19が新たなトレーニングの地に足を踏み入れました。場所は栃木県・トゥモローファーム様。クラブの同世代では最初の本州移動馬になります。

 

皆さま、こんにちは。京都サラブレッドクラブです。

今回はトゥモローファームの代表取締役・齋藤野人様にお話をお伺いしました。

 

サンタテレサ19が入厩

「サンタテレサ19は本日(2日)、こちらに入厩いたしました。熱発などもなく、馬は元気いっぱいです。馴致から預かっているのは20頭ほどいるのですが、他から移動してきたのは同馬で4頭目。まだまだこれからの馬ですが、鍛えていけば体つきにメリハリがきちっと出てくるイメージが湧いてきますね」

齋藤代表にサンタテレサ19の印象をお聞きすると、上記のような答え。どんどんトレーニングを積んで、デビュー時には一段と見違えるような、素晴らしいサラブレッドになってくれることを期待したいと思います。

 

当時のロックオンエイム

サンタテレサ19がいるトゥモローファームは、今週出走を予定しているロックオンエイムも、デビュー前に育成をお願いしていた施設・牧場になります。入厩したのはサンタテレサ19とほぼ同じ時期。

「最初来た時から、背中の感じが良かったですね。テンションは、今もそうだと思いますが、やはり当時からカリカリした気性でした」と齋藤代表。初戦3着→未勝利戦1着の時は「本当に嬉しかったですよ」と。というのも「こちらで仕上げて美浦に送り出す時、少し心残りがあったんです。もう少しトモが中に入ってくるようにしたかったんですけど、前にモタれるような走り方を完璧に修正できませんでしたからね」。それだけに勝ち上がった時は安堵の気持ちが込み上げてきたそうです。よく言えば、気持ちは前向き。あとは「体さえ減らなければ、これからもしっかりと力を出し切ってくれるはずなので、もっと活躍してくれると思います」。今週末、良い競馬をしてくれるよう願っております。

 

 

オルフェーヴルの背中を知る齋藤代表と、Tomorrow Farmの調教施設の利点

トゥモローファームの調教施設は、周回900mのコースと、700mの坂路がメイン。その他、直線50mのプールも備えています。訪れた誰もが感心するのは、欧州風の建物と、森林馬道の美しさ。「森林馬道はリフレッシュを図れるだけでなく、アップダウンがあるので、歩くだけで筋肉に負荷をかけることができ、背腰も強くなってきます」と、齋藤代表からは見た目だけではない、トレーニング施設としての利点もご説明いただきました。

馬房数は90ですが、入厩しているのは2日現在で61頭。今は14名のスタッフで運営されています。ファームとしては、若いスタッフにもできる限りたくさん乗ってもらう方針。「馬だけでなく、人も育てていきたいんですよね。自分もそうして成長させてもらいましたから」と齋藤代表。

代表自身も、ノースヒルズやノーザンファームで多くの馬に携わってきた経歴の持ち主です。「今、パッと思い出せる馬で言うと、アドマイヤラクティやレッドデイヴィス、テスタマッタにも跨らせていただきました。ノーザンファームしがらきの立ち上げの時に、私もそちらに移動しまして、そこではオルフェーヴルの調教にも乗りました」とのこと。「オルフェーヴルは、きさらぎ賞後に初めて坂路で調教をつけたんですが、見に来られていた池江先生に『こんな素晴らしい馬に、私が乗せていただいてもいいんですか?』と鳥肌を立たせながら確認したぐらい(笑)。とてつもなく凄い能力を感じました」と、当時を振り返ります。

 

飽くなき向上心

そんな歴史に残る名馬の背中を知る齋藤代表から、最後に一言。

「もちろん大きなレースに勝つことができれば嬉しいものですが、どんなレースでも勝つのは大変なことですし、とにかく最大限の能力が発揮できるように仕上げていきたい。だからさっきも言いましたけど、ロックオンエイムのフットワークを、もう少し修正したかったんですよね・・・(笑)。もちろんその後、奥村武先生のところと外厩先できちんとしていただいておりますので、勝ち上がれた〝今〟があるのだと思います」。

まさしく【飽くなき向上心】。そこまで考えていてくださる齋藤代表に、サンタテレサ19をお任せすることができて、クラブとしても大変嬉しく思います。今後ともよろしくお願いいたします。