サマーセール落札募集馬 北枕鳩三郎セレクトその④ ソーシャライツ2024 【北枕鳩三郎】
2025/10/17

こんにちは、北枕鳩三郎です。
ソーシャライツの24についても、面白いエピソードも含めて、お話しできればと思います。最後までお付き合いください。
まずは無料募集馬となったことについて、詳細は聞かされておりませんが、決して本馬の期待値が低いというわけではございません。選馬チームのプライドに賭けて、勝負にならないような選択はあり得ませんので、そこだけはご理解ください。
さて、牝馬を落札するケースにおいて、一つには母馬優先を設けた以上は、繁殖にあがった際にも期待できるようなブラックタイプの持ち主であることを念頭に置きつつ、実馬とのバランスを重視して選ぶことにしています。ご存知のとおり、ソーシャライツの24はブエナビスタやマンハッタンカフェが名を連ねる名牝系の出身です。サトルチェンジの産駒で言えば、そのマンハッタンカフェだけでなく、藤澤厩舎所属でオールカマーを制したエアスマップもいます。このエアスマップという馬が、またイイ馬でしたね。デインヒル産駒らしくトモが大きく見栄えのする素晴らしい馬体の持ち主で、とにかく、顔つきに品があり、いかにも良血といった感じ。ビワハイジやブエナビスタもそうでしたが、この牝系は顔つきが良いのが特徴です。ソーシャライツの24もまた、それはそれは美人さんです。一緒にパレードリンクで本馬を見ていた山上代表も「顔は北川景子似やなぁ」とポツリ。顔のイイ馬は走りますからね。
また、母ソーシャライツの全兄サトノグロリアスもクラシックを意識できる素質馬でしたが、骨折でその素質を開花させることなく4戦のキャリアで引退してしまいました。馬体や走りからも無事であれば、間違いなく重賞級の器だったと思います。強烈な決め手で勝った新馬戦の映像が残っているので、ぜひ、ご覧になってみてください。そのサトノグロリアスと同血の母ソーシャライツにアルアインが付けられて産まれてきたのが本馬です。アルアイン産駒は牝馬に出るとディープインパクトの軽さをよく伝え、薄手のタイプでも芝でのスピード能力を秘めています。デインヒル産駒のエアスマップですら中長距離の重賞で活躍しましたし、長距離G1を複数勝利したマンハッタンカフェを輩出した牝系だけに、ソーシャライツの24の芝の中長距離適性は疑いようがありません。
その馬体と歩様は、母父ジャングルポケット経由のトニービン色が強く、薄手ですが柔軟性とバネ感を両立させています。実馬は体高があるので、馬体重以上に大きく見せますし、同牝系の牝馬の活躍馬は皆、細身のシルエットの芝馬ばかりです。適性的にもライバルとなるのが大手の牧場の良血馬たちとなりますが、血統的なポテンシャルも含めて引けは取りません。また、2歳夏の北海道シリーズでの早期デビューが得意な吉田直厩舎であれば、牝馬らしい仕上がりの早さを活かして、2歳戦からバンバン使ってくれるのではないかと考えております。見切りの早さだけが話題となるようでは困りますので、しっかりと結果でお応えしたいと思います。
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北枕鳩三郎 氏 プロフィール
約34年間、パドックの最前列にこだわり続け、学生時代には年間365日、JRAと南関東競馬のパドックに立ち続けたことも。競馬場以外にもセレクトセールやサマーセール、一口馬主募集馬ツアーに参加し、現役馬から1歳馬まで数えきれないほど馬体を見続けてきた。その馬見に関してはネットを中心にカリスマ的人気を誇る。
京都サラブレッドクラブでは、2022年より募集馬選定に携わる。