【サマーセールについて~2025前半戦の概要】
2025/08/21

皆様、こんにちは。京都サラブレッドクラブです。
毎年、カタログにラインナップさせていただいております多くの馬はセールにて購買、募集をしています。
その中でも購買数が多いのがサマーセールです。
※セール会場内は原則写真撮影禁止ですので、画像はお届けできません。
■サマーセールへの思い
バトゥーキの母サンバホイッスル(チャームカーニバル2008:父サウスヴィグラス)も
2009年のサマーセールで210万円(税込)で売買された馬になります。消費税が5%の時代でした。
母名からの連想でサンバホイッスルと名付けられた当馬は、2歳の10月に2戦目の中山ダート1200mで勝利しました。
14番人気単勝27,210円での勝利でした。
調教師は和田正道氏(定年された今でもお元気にセールに足を運ばれています。)、
騎手は田中博康氏(レモンポップでのG1トレーナーですね。)でした。
その後、ケガで勝ち星を挙げることが出来ず引退しましたが、繁殖としてはバトゥーキはじめ、
ダズリングダンスの母サンバダンサー、エントルードの母サンバパレードなど、
当クラブのラインナップにはなくてはならない血筋となっています。
15年以上前のサマーセールが今日の当クラブへ繋がっていると思うと、おのずと気合も入ります。
■サマーセールについて
サマーセールは上場馬も多く、また今年は6日開催ということもあり、かなりの体力と気力が必要です。
それぞれの日のスケジュールでみても、
まず、朝8時から6回、1回あたり30分、40頭以上の展示があります。展示される馬を次々確認していきます。
計算すると、1頭あたり1分もありません。この中で気になった馬は歩かせたり、
立ち姿や足、爪、繋ぎなどのパーツをチェックします。
他の参加者の方もいますので、押しのけて、自分だけがという訳にはいきません。
合計250頭弱を回るだけで1日が終わった気分になります。
そして、セリが始まるのは11時30分から、これからおおよそ7時間の戦いが始まります。
つまり、平均1時間に30頭程度のセリが行われるということです。
気を抜くと、候補馬のセリが終わっていた、などという経験もあります。
日が落ちる前に終わるのか、帰りの飛行機には間に合うのか、最後はドキドキしている人も多いようです。
落札すると牧場の方などと、ご挨拶、今後のご相談をしつつ、写真・動画撮影をして、関係者への報告となります。
セリの参加者は、馬主や調教師、預託牧場など、
ライブ中継で写っている鑑定人の前の表の会場、その裏手にある会場、オンラインの3カ所で、
あるときは顔の見えない相手と、さまざまな思惑でビットしていきます。
鑑定人のハンマーが落ちた時のビットが自分であった時の興奮や、
高額落札になった牧場さんの安堵と喜びを目の当たりにすると、次も参加したいと感じます。
しかし、落札できなかった時の落胆の大きさ、主取りになった時の牧場の方の困惑の表情など、
それぞれ悲喜交々を感じさせるのもセールならではです。
また、当日までの準備としてカタログ、動画や写真のチェック、各牧場まで実馬の事前チェックなども行っています。
牧場や関係者からどのような情報を手に入れることができるのか、
時間や手間暇、人脈も、セリの成績に関わるので、毎年手抜かりなく積み重ねて行っています。
■これまでの結果
さて、こちらを書いています今、セールの半ばを過ぎたとこになります。
1日目に牡馬1頭、2日目に牡馬1頭、牝馬1頭を落札出来ました。
1日目のセリでは、10数頭の候補馬がいました。
当日のセリ場での実馬、他の参加者の動向、セリの進行状況など、
当日参加したメンバーを中心に意見交換を行い、どの馬をいくらまで、セリに参加するかを決めます。
この日は天気も良く、月曜日は競馬関係者が参加しやすいこともあり、多くの人が足を運んでいたように見受けられました。
実際にセリに参加したのは4頭。
1頭目は父チュウワウィザードの3番サウンドウェーブの2024
2頭目は父ウィルテイクチャージの103番フィメールモナークの2024
3頭目は父アメリカンペイトリオットの210番アッリヴァーレの2024
4頭目は父ロジャーバローズの231番のクイックレスの2024
結果は、3番サウンドウェーブの2024を385万円(税込)で落札。
残りの3頭には縁がありませんでしたが、無事活躍されることを見守ることにします。
2日目のセリでも、当初10数頭の候補馬がいました。
この日は、天気予報通り、朝からいつ雨が降ってもおかしくない空模様。
展示5巡目から降り出した雨は、雷を伴うものとなり、セリの中盤まで降り続きました。
その影響で足を向けなかった参加者もいたようですので、もう一つの戦略として、
募集価格を抑えられる期待の牝馬を探すことも視野に入れました。
結果的にセリに参加したのは2頭。
1頭目は父アルアインの276番ソーシャライツの2024
2頭目は父ゴールドシップの318番ファシネイトの2024
父アルアインの276番ソーシャライツの2024は220万円(税込)、
父ゴールドシップの318番ファシネイトの2024は737万円(税込)
で両頭とも落札することが出来ました。
■セリに参加しなかった馬たちの理由
2日ともセリに参加できず、断念した候補馬が多くいます。
その1番の理由は価格です。
募集価格をできるだけ抑え、出資候補にしてもらえることを考えると、落札価格は最も重要な要素です。
セリでは実馬が良ければ値段が上がるのは誰でも分かりますが、
その日展示されている中で相対的に良く見える馬も高くなります。
さらに血統にゆかりの深い関係者が参加されると価格は高くなりがちです。
山上が個人として落札した馬がいますが、この前に数頭のセリに参加しており、
想像以上に価格が上がっていく場の流れも見ていました。
次に馬の状態です。
ある程度の欠点は経験上許容していますが、見えなかった欠陥が判明したり、
予想以上に影響がありそうなことが当日に見つかるといったこともありますので、実馬のチェックを怠らず、
冷静に見極め、無理はしないように心がけています。
その他にも様々な要因を、当日参加したメンバーを中心に検討しています。
これから、募集馬のラインナップの充実を図るべく、
サマーセール後半でも数頭購入できるように頑張りますので、
結果を見守っていただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。