吉澤ステーブルWEST視察【北枕鳩三郎】

こんにちは、北枕鳩三郎です。
先日、吉澤ステーブルWESTさんに、在厩馬の視察に行ってまいりました。特に北海道から移動したばかりのマジュリスが3月から急激に良くなっているとの報告を受けていたので、再会を楽しみにしておりました。
まずはそのマジュリス。移動から数日しか経過していなかったこともあり、馬体重は418Kgと輸送で落ちたぶんが徐々に回復している段階でした。正直、牝馬ということを差し引いても線の細さは感じましたが、北海道では440kg近くまでに成長していたので、あと2週くらいあれば元の体つきに戻ってくるのではないでしょうか。実馬は近くで見ると体高が高く、馬体重以上に大きく見せます。実際の競馬では430kg台で走れそうとのこと。
動画:マジュリス(吉澤ステーブルWESTにて2026年5月18撮影)
戻り切っていないなかでも、歩様の良さは健在。芝向きのしなやかさと軽さは、トニービンらしさを受け継ぐマジュリスの長所の一つです。総じて馬体重が小さめのアルアイン牝馬は、軽さを武器に芝での勝ち上がりが増えてきました。アルアイン牝馬といえば先日のオークスで好走したラフターラインズ。そのラフターラインズと同じで、母系にヌレイエフの血を持っているのも、芝向きのスピード性能の裏付けとなりそうです。

画像:マジュリス(吉澤ステーブルWESTにて2026年5月18撮影)
北海道では気性の難しさを覗かせていたようですが、吉澤ステーブルWESTさんに移動してきてからは、水が合うのか非常に扱いやすい馬だというお話。担当者さんの話では、飼い葉も良く食べて無駄な動きが少ないので、軌道に乗れば直ぐに馬体重は戻ってくるだろうとのことでした。牝馬だけに繊細すぎる部分がないのは心強いかぎりです。また、軽いフレームが良かったのか、北海道時代から頓挫なく順調に乗り込みを進めてこれたのも大きいです。早期デビューに向けて、吉田調教師との連携を密に進めていく方針とのことからも、夏競馬の始動も十分可能な過程と言えそうです。当初の予定どおり、仕上がりの速さを武器に、比較的、頭数の揃わない2歳の芝中距離戦での勝ち上がりを期待したいと思います。初めは0円募集と聞いて、ちょっとそれはやり過ぎだと思いましたが、むしろ、少ない負担で楽しんでもらえる存在になり得そうなことからも、迷われている会員さんがいれば強くプッシュしたいと思います。
続いて、2頭目は3歳馬のソルオーブ。このブログがアップされている頃には、すでに帰厩していると思いますが、とても良い状態で復帰戦を迎えられそうな雰囲気でした。前走から少し間隔が開きましたが、馬体はかなり成長を感じさせました。元々、デビューが遅れたように体がしっかりしてくるのに時間を要した馬。使い詰めするよりも、成長を促しながらの方が先々に向けてはプラスに働く気がいたします。同日に見た既に2勝している3歳馬と比較しても、ソルオーブの方が良かったくらいです。無事に進めることができれば、1勝クラスは通過点になるはずです。期待してください。
3頭目も3歳馬のヴェルジーネ。こちらも順調そうな姿を確認できました。思いのほかレース後の反動が大きかったのか、馬体を膨らませるのに時間がかかったようです。ダート馬らしく硬質の筋肉を纏っているので、毛艶にかんしては常に良く見せるタイプではありませんが、筋肉の張り感が戻って、体調自体は上向きであることが伝わってきました。相変わらず、後肢の造りが秀逸で、曲飛気味の飛節が繰り出す差し脚は、クラスが上がれば上がるほど威力を発揮してくれそうです。もちろん、ヴェルジーネもソルオーブ同様に1勝クラスは早いうちに卒業できる馬でしょう。
4頭目は2歳のルナヴェリタス。これは本当に良くなりましたね。体調の良さが伝わるピカピカな馬体。完歩の大きい雄大な歩様はそのままに、そこに力強さも加わった感じがします。今回の視察で印象が大きく変わったのはマジュリスとこのルナヴェリタスです。馬体重も460kg台に乗り、芝向きの牝馬としては十分な馬格と言え、今のところ不安な部分がありません。個人的な感触では早い時期から活躍できそうな気配がありますし、芝のマイル前後でおろして、何勝か上げた後、先々はダートでもいけそうな力強さも感じます。楽しみですね。
5頭目は2歳馬のアルバドラータです。立ち姿の写真は見栄えが抜群ですが、実馬は少し楽をさせていた時間があったので、身体の造りとしてはかなり緩く感じました。3月に北海道で見た時の好印象からすると、正直、頓挫で緩めたぶん、馬体の張りや歩様時の緊張感は物足りなかったです。若干のトーンダウン。ただ、それも時間が解決してくれるものと楽観視しております。軌道に乗りさえすれば、元の活気あふれる好馬体に直ぐに戻るはずです。距離があった方が良いという印象も変わらずでして、芝の長いところが主戦場になることは間違いないと思います。そのなかでどれだけ速い脚を使えるかどうかは、今後のトレーニングの質と成長力にかかっています。ゴールドシップ産駒らしく、内面に難しいところを秘めていそうですから、慎重に進めていただけている様子で安心いたしました。まずは無事にデビューまで辿り着くことを願っています。
今回、吉澤ステーブルWESTさんには初めて訪問させていただきましたが、とても綺麗なオフィスと清掃が行き届いた場内に感銘を受けました。これならば競走馬に対しても同様に接していただけているという強い信頼感も得ることができました。競走馬は携わる人で大きく変わります。上記の馬たちの活躍に期待しています。
========================================================
北枕鳩三郎 氏 プロフィール
約35年間、パドックの最前列にこだわり続け、学生時代には年間365日、JRAと南関東競馬のパドックに立ち続けたことも。競馬場以外にもセレクトセールやサマーセール、一口馬主募集馬ツアーに参加し、現役馬から1歳馬まで数えきれないほど馬体を見続けてきた。その馬見に関してはネットを中心にカリスマ的人気を誇る。
京都サラブレッドクラブでは、2022年より募集馬選定に携わる。