サマーセール落札募集馬 北枕鳩三郎セレクトその③ スーパージンガ2024 【北枕鳩三郎】

2025/10/10

 

こんにちは、北枕鳩三郎です。

今回はスーパージンガの24についてお話させていただきます。まずは、預託を予定している辻厩舎には3年続けて牡馬をお願いするかたちとなりました。今年はここまで重賞を2勝するなど、一流の手腕が競馬ファンにも周知されつつある辻厩舎。クラブも素質馬をお願いしなければならないと、大変なプレッシャーがある中でサマーセールに挑み、そして、結果的に預かっていただくことになったのがスーパージンガの24という訳です。それだけでも期待度が高い1頭であることが伝わると思います。
実は、スーパージンガの24は事前下見の段階で落札予定の候補馬としてピックアップしていましたので、狙いすました落札でもありました。いくつか候補に挙げても、山上代表やクラブスタッフの合意がなければ、実際の落札には繋がりません。そこはあくまで厳しい審査があるのです。レポジトリのチェックで落とされる馬もいれば、予算的に厳しいことが予想される場合もあります。限られた条件のなか、そこをくぐり抜けて京都サラブレッドクラブの所属馬として名を連ねます。特にここ2年の結果から、北枕が選ぶ馬は故障しやすいイメージが会員さんにも出来上がってしまっています。それだけに、これまで以上に、脚もとのチェックには時間を費やして選定しました。落札頭数が例年よりも少なくなった一つの要因と考えていただいても良いでしょう。

 

さて、実際の実馬についてですが、初見から前捌きの軽さとスムーズさが気に入って、血統を無視したなかでのチョイスでしたが、その後、直ぐに母スーパージンガの現役時のレースを可能なかぎりチェックして成長した姿のイメージを固めました。頭部の造りが小さく、首さしも綺麗ですから、ディープインパクト系の特徴が馬体のシルエットには存分に表れています。そのことからしても、馬体や歩様からは完全な芝馬だと思って落札しています。

 

しかし、直近の話では、募集馬ツアーに参加したクラブスタッフの印象では、サマーセール時よりも幅が出て大きくなり、若干ですが、ダート馬的な要素が出てきたそうです。短期間でも、そんな成長を見せるとは、う~ん、どっちに転ぶのかわからない、というのが正直な今の感想です。幾度となく、血統の凄さは体感してきましたし、芝馬だと思った馬がダートで大成するケースはほとんど血統的にもダート要素が強かったりします。現段階では、芝もダートもいけるマルチなタイプになるだろうと予測していますが、実際のところ、適性にかんしては成長次第のところもあり、決めつけはせずに取り組んでくださる厩舎としても、辻厩舎で良かったと思っています。
馬と厩舎との相性は、クラブとしても非常に大事にしている部分でして、いくら素質のある馬でも“携わる人”によって、大きく競走成績が変わってくる事例は嫌というほど見てきました。募集馬カタログ冒頭の山上代表の挨拶文にもあるように、競馬が心底好きなスタッフだけで固められている京都サラブレッドクラブは、どうしたらより良い成績をおさめることができるのか、会員さんもクラブスタッフも皆が喜べるように全力で取り組んでいます。馬に携わる人、という部分においてはクラブのスタッフも同じ。その馬に合った環境を整えてあげるのが、クラブの役割でもあります。日々の競馬から、常に学ぶことを怠らず、どんどんと新しいチャレンジを続けてまいります。スーパージンガの24も、ぜひ、ご出資を前向きにご検討ください。

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北枕鳩三郎 氏 プロフィール
約34年間、パドックの最前列にこだわり続け、学生時代には年間365日、JRAと南関東競馬のパドックに立ち続けたことも。競馬場以外にもセレクトセールやサマーセール、一口馬主募集馬ツアーに参加し、現役馬から1歳馬まで数えきれないほど馬体を見続けてきた。その馬見に関してはネットを中心にカリスマ的人気を誇る。
京都サラブレッドクラブでは、2022年より募集馬選定に携わる。