京都サラブレッドクラブ誕生までその2
マイケル君と私の出会いは、もう10年以上前になります。
彼は競馬好きな青年で、いずれ馬主になりたいと考えていました。
私は馬主になった20年前から、インターネットを通して、競馬関係者と縁故がなくても馬主になれますよという活動を行なっており、そんな中で紹介されたマイケル君を馬主に導きました。
彼は強運の持ち主で、初年度所有馬からハナズゴールを引き当てました。
1勝ぐらいはするかもよと私が紹介した馬ですが、まさかあれほど活躍するとは思っていませんでしたので、ただただ驚くばかりでした。
その後も楽しく馬主活動を続けておりましたが、ある時マイケル君からクラブ立ち上げの話を聞きました。
まさしくニューワールドレーシングクラブの構想です。
入会金や月会費、営業経費はなし。
自分は役員報酬も取らない。
会員の皆さんが喜んでくれれば十分で、自分はその活動の結果残る優秀な繁殖牝馬を所有し、そこから常にクラシックレースを狙えるような生産を行っていきたい。
掲げる理想は高く、立派でした。
そして、それに共鳴して支えてくれる人たちもいた。
前途洋々たる船出でした。
しかし、私はそのビジネスモデルに一抹の不安を感じていたのです。
つづく