ミトコンドリアとは? その①~代表・山上和良~

2025/11/21

 

ミトコンドリアと聞かされて、すぐに何かわかる方は少ないでしょう。
ミトコンドリアは、細胞内に存在する小器官で、ATPを作り出す工場として働いています。
ATPは生物の活動に必要なエネルギー源みたいなものだと考えてください。

馬が走り出す際には、筋肉に蓄えられた糖(グリコーゲン)が細胞質内でピルビン酸まで分解されます。そしてピルビン酸がミトコンドリア内に運ばれて、酸素を利用しながら、二酸化炭素と水にまで分解され、その結果として多量のATPが生成されることで、筋肉を動かすことができます。

全力で走る時は、大量の糖(グリコーゲン)が分解され、大量のピルビン酸が出来ます。
しかしすべてのピルビン酸をミトコンドリアで処理しきれず、処理しきれなかった分が少量のATPを産生しながら乳酸に変換されます。

ちなみに以前は乳酸は無酸素運動時に発生する疲労物質と言われておりましたが、現在では無酸素運動とか疲労物質という概念は存在しません。
一時的に変換された乳酸は再度ピルビン酸に戻され、順にミトコンドリアにて酸化処理(多量のATP産生)をされていきます。
単純な話ですが、レース中にATPを多く産生できる馬が強い(速い時計で走りきれる)ということになります。

レース中ミトコンドリアにて、どれだけ多くのATPを産生できるか?
それはその馬の持っているミトコンドリアの量と質(能力)に依存することになります。
これがミトコンドリアの力。
これは肉眼では見えないわけですから、いくら優れた相馬眼を持っていようが見抜くことなど不可能というわけです。