4歳世代振り返り①~パドロック~【北枕鳩三郎】

こんにちは、北枕鳩三郎です。
今回は明け4歳世代について、勝ち上がることができず、クラブの所属ではなくなった馬たちについて振り返りたいと思います。その中には、まだ他のオーナー様のもと現役を続けている馬もおりますので、あくまでクラブ所属時の見解であることをご承知おきください。
まずはセレクトセール1歳セッションで落札されたパドロックです。4000万円での募集という、クラブではかなりの高額募集となった本馬ですが、3戦目の未勝利戦の2着が最高着順でした。勝ち上がることができず、出資していただいた会員の皆様には、いまでも大変申し訳ないと、心からそう思っております。
※3戦目のパドック(2025/5/4京都競馬場)
4戦目のあと、屈腱炎の発症で引退を余儀なくされましたが、あのラストランの時点でパドロック自身は既に脚に違和感があったのだと思われます。不可解な凡走には、何かと理由があるものです。砂を被らずに追走できる外枠が引けた時は、勝ち負けを意識しましたが、レースでは勝負どころでの反応も悪く最後までイメージとは程遠い走りでした。本来であれば、あそこからのスピードの乗りと伸びが違ったはずです。
わずか4戦で屈腱炎になるというのは、どう考えても選馬に携わった自分の責任であります。セレクトセール当時のパドロックの姿を思い返しても、その馬体と歩様には光るモノがあったのは間違いありません。同じくセールでパドロックを見ていた橋口調教師も、本馬の好印象をのちに語ってくれました。
しかし、育成時代から軽い頓挫を繰り返すなど、脚もとの弱さだけでなく気性面での不安定さも覗かせていただけに、心身ともに弱さを抱えていた馬でもありました。育成場に何度も見に行ってきましたが、常に眉間にシワをよせ気難しい表情を見せていました。当時から、精神面でゆとりがない様子がしぐさにも表れていたように感じます。ただ、馬体面だけで言えば、いまではたくさんサンプル数のあるブリックスアンドモルタル産駒ですが、そのなかでは本当に指折りの好馬体の持ち主であったと思っています。なかなかあれだけのブリモル産駒はおりません。多重クロスがハマって、血統の評価以上に大物感のある産駒が誕生したのだと考えられますが、その多重クロスがゆえに、体質面の弱さも同居していたのだと、いまはそう結論づけております。もちろん、正解かどうかはわかりません。
※3戦目の返し馬(2025/5/4京都競馬場)
しかしながら、くどいようですが、もし無事であったら…。一競馬ファンとして、たくさんの現役馬のパドックを見てきましたが、間違いなく上のクラスで活躍できた馬だと思います。タラレバや愚痴は何も生み出さないことは理解していますが、ただただ残念で悔しい気持ちが残ったままです。
パドロックを通じて、たくさんのことを学ばせてもらったのは事実。それが次の世代、またその次の世代へと、相馬に活かしていくことが、出資してくださった会員の皆様に対する恩返しになると、いまはそう考えております。
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北枕鳩三郎 氏 プロフィール
約35年間、パドックの最前列にこだわり続け、学生時代には年間365日、JRAと南関東競馬のパドックに立ち続けたことも。競馬場以外にもセレクトセールやサマーセール、一口馬主募集馬ツアーに参加し、現役馬から1歳馬まで数えきれないほど馬体を見続けてきた。その馬見に関してはネットを中心にカリスマ的人気を誇る。
京都サラブレッドクラブでは、2022年より募集馬選定に携わる。