4歳世代振り返り③シャイニーカラーズとファータビアンカ【北枕鳩三郎】part3/3

2026/08/14

 

続いてはファータビアンカについて振り返りとなります。
サマーセールにて990万円で落札され、クラブの牝馬としては高額での募集となり、会員の皆様のみならず、クラブとしても非常に期待していた馬でもありました。カタログに寄せた文面には『サマーセール初日、「この馬だけは絶対に落としましょう!」と、クラブスタッフとも共通の想いで臨み、何とか予算内で落札できた瞬間は自然と固い握手を交わしていました』と書かせていただきましたが、落札した瞬間の喜びは、いまでも鮮明に覚えています。選馬チームとしても、「この馬が走らなかったら、もう牝馬を積極的に狙うのはやめましょう」と、話していたくらいです。

動画:新馬戦パドック(2025.2.22京都競馬場)
しかし、結果的には中央で2戦、金沢で5戦するも勝ち星をあげられずファンド解散となりました。デビュー前には半姉プリンセスアリーが浦和の桜花賞を勝つなどして、当然、ファータビアンカにも同等かそれ以上の期待を持っての取り組みでした。しかし、体質が弱くデビュー自体が遅くなっただけでなく、その後も順調に使い込めませんでした。新馬戦の直前では坂路の追い切りで52秒台前半を馬なりで上がってくるなど、4番人気に推されるほどの動きを見せていたので、走力自体は間違いなく備わっていたはずです。続く2戦目の追い切りでも、ウッドで併走馬を相手にしない動きを見せ、変わり身を期待しましたが、いずれも人気を下回る着順となりました。走力と体質のバランスが悪く、追い切りで動いても、レースではその反動もあり力を発揮できない状況が一番表面に出たのが、レース直前に除外となった幻の3戦目だったのでしょう。また、蹄が薄く芝向きの脚元の造りでしたので、一度は芝を試したかったという気持ちもあります。しかし、それも体質の問題があり叶わず。柔らかい芝向きの歩様が長所だと考えていた馬が、稽古を強めると歩様に硬さを見せるようになるとは思いもしませんでした。どうすれば、体質の弱さを見抜くことができたのでしょうか…。セール時の映像を何度も見返し、馬体の各パーツを再検証しましたが、いまだ結論には至っておりません。結果的に地方の深い砂も合わなかったようですし、適性を誤ったことに加え、出資会員の皆様には余分にご負担をかけてしまいました。反省点は多いです。

動画:新馬戦返し馬(2025.2.22京都競馬場)

しかし、その反省を活かし、次の世代の運営に何らかの変化を加えていかなければなりません。もちろん、牝馬の場合は選馬の段階での精査はこれまで以上に慎重に、また、育成や厩舎にかんしても、その馬に合ったところを選択していくことが大事だと考えます。ファータビアンカやシャイニーカラーズが教えてくれたことを無駄にはせず、学びを今後の取り組みに活かしてまいります。

part1/3はこちら→https://kyoto-tc.jp/blog/horse1/kitamakura16/
part2/3はこちら→https://kyoto-tc.jp/blog/horse1/kitamakura17/

 

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北枕鳩三郎 氏 プロフィール
約35年間、パドックの最前列にこだわり続け、学生時代には年間365日、JRAと南関東競馬のパドックに立ち続けたことも。競馬場以外にもセレクトセールやサマーセール、一口馬主募集馬ツアーに参加し、現役馬から1歳馬まで数えきれないほど馬体を見続けてきた。その馬見に関してはネットを中心にカリスマ的人気を誇る。
京都サラブレッドクラブでは、2022年より募集馬選定に携わる。